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大学最後の授業

ようやく終わった大学での最後の授業。
今までリハビリ科大学3年生に10回臨床作業療法を行いました。
脳卒中や整形外科など自分の経験がある分野は症例を紹介したりできるので良いのですが、発達障害や脊髄損傷など自分の経験の少ない分野では面白く話せなかったり。興味を惹かせることができなかったりと、ストレスを凄い感じましたが、やり終える事ができました。

中国の子供は日本の学生さんよりも、明るく人懐っこい。
「大家好(こんにちは)」というと、「老师好」と明るく返事をします。
分からないことがあったら積極的に質問してきてくれるし、一生懸命な学生さんと交流して、無理難題もなんとか終える事が出来た気がします。
そんな先生ごっこもこれで最後です。




授業でこんな事を話していいのかな?と思ったけど、
この二年間中国に来て感じたことを素直にたくさん話しました。
・これから仕事につくリハビリに興味を持ってもらいたい。
・作業療法は中国でいまいちだけど広めて欲しい。
・働いてからも患者さんに興味をもって勉強して欲しい
(中国は詰め込み教育だから学生の時の勉強量は凄いけど、働いてからはあまり勉強する機会が少ない。リハビリ中に携帯電話をいじったりする学生さんもいるなど興味を持ていない子も多いと感じて)
と思ってパワーポイントで流れは作ったけど基本フリートークです。

テーマ1:リハビリの必要性について
  中国ではリハビリの知名度が低く廃用症候群の患者さんが非常に多い。中国に来てからリハビリがこんなに効果がある事を知った・リハビリをしなかった為にこんな状態になってしまった人もいると症例紹介。
河北省は人口4000万人いるけど、リハビリ科卒業生は君たち1年間50人のみ。「你们是宝贵的财产」
まだまだ圧倒的にたらないので、頑張ってください!!
これはみんな納得。

テーマ2:作業療法について
  中国で作業療法士の勤務する場所は病院のみです。一般的に行われるのは上肢機能回復の単純な机上運動。黙々と単純な机上運動をしている様子をみると気持ち悪さを覚えます… 
「他で言ってはいけないよ^^」とぶっちゃけトークを開始です。
「中国での作業療法は私は少しつまらないと見ていて思います。みなさんはどのように感じましたか?」
学生さんのほぼ全員が「つまらない」と答える。
「学校では手工芸とかいろんなことを勉強するけど役に立たない。今まで何か所か病院に見に行ったけど働いたら単純な運動をひたすらやっているだけ。」
彼らは正直に良くみているなぁ…
「私がつまらない原因は人を観ていないからだと思う。Ocupatioalの意味は知っている?今の中国での作業は(Homework)を患者さんにやらせているだけだから面白くない。人という目線で見ると面白いよ」
と話して、中国へ来てから数少ない作業療法活動(調理訓練と手工芸)を導入して良い反応を引き出せた症例を紹介。
「記憶障害の患者さんと片麻痺の患者さんとみんなで実施した調理訓練で餃子を作った写真です。記憶障害の患者さんは普段自分から積極的に動くことは本当にすくないです…でも餃子の皮を作るとき、私よりもとても上手なんですよ。それを観て家族の人も笑顔になってそれがきっかけでいろいろと明るく話しを進めています。この活動で記憶障害が良くなるわけではないけど、患者さんの良い一面を引き出すことができました。片麻痺の患者さんも餃子を作るときに自然と両手で麻痺側を補助手として使う練習になるし、立位でのバランス訓練にもなっています。何よりも家に帰って家族の人がこういう事ができると役割を考える事ができる」
と活動性の低い症例に行った手工芸の紹介。

みんな真剣に聞いているけど
「お金はどうするの?誰が材料や準備をするの?」
「中国は関節可動域訓練が10元など決まっている。餃子を作る訓練は何元なの?」
「私たちがやろうとしても、すでに机上訓練をしている。上司の行っている訓練をしなくてはいけない。患者さんも手を良ることを目的に来ている。」


などなど学生さんからの素直な質問。
「上司の言う事は聞きましょう(笑)」
やる訓練は患者さんのニーズや病院の環境によって大きく影響するけど、
筋肉や麻痺を観るのではなくて、人を診るんですよ。
自分の関わりや活動を通して、患者さんの良い面を引き出すんですよ。

「中国で決まった作業療法以外の事をやることは難しい。先生が変えてください。」
⇒そんなことをする力はありません(笑)
 きっと作業療法協会ができて、制度ができて、作業療法士さんが頑張って
 変わっていくんだろうなぁ…
 日本も昔はこんな感じだったんでしょうか。

自分は本当に未熟で人にこんな事を話す立場じゃないけど、
他にも人について・勉強していく方法・患者さんとの対応方法とかいろいろと話し合いました。
まぁ恐らく全員理学療法士・総合治療師として働くのでしょうが、作業療法の全体像を診る視点とか、活動とかそういった考えを持ってほしいです。

しかし無事に終わり良かったです^^
大学最後の授業_f0233649_1920355.jpg

# by custom1210 | 2012-05-10 19:20

スプリント授業

大学でスプリント製作の授業をしたいと考えて、許可を得て日本に帰国した際にスプリント素材を購入してきました。
少ない素材でできるように短対立装具を作成予定。

と大学の先生に誤解があるようで、
「スプリントは可塑性があるんでしょ?これで5年間使ってください。」
いや作ったら来年使えないです…
「では今年はこのスプリントシート1枚で50人分の授業をしてください。」
しょうがないかぁ…
と翌日に電話が
「9年前に購入したスプリントシートがあるので、それを先に使ってください」
「新しいスプリントはまだ生徒には使わないで」
仕方ないですね…9年前で大丈夫か?



と授業の当日です。
スプリント素材がもっただけで
ぱきっ!と割れた!!(--〆)

熱湯でシートを温めて柔らかくすると、
透明になってきたと思ったら… 
溶けてなくなった!!(--〆)

温めすぎてしまったと思い、半透明で早めに取り出して
生徒の手に合わせると、変な液体がベトツク!!(--〆)

これは中国製だから?9年前だから?自分の加熱方法?

とこんな素材なので、ちゃんと製作できた学生はほとんどいなく。
自分も対象者と向かい合って とかちゃんと教える事もできませんでした。
お遊戯会のような感じになってしまいました…
カッティング以外はめちゃくちゃです。
モールディングなどはひどい。

あまりの内容になってしまったので、
自分が持ってきたスプリントで1つ見本を作って。

その後、
短対立装具・手掌カックアップ・背側カックアップ・パンケーキ
などの製作方法をビデオに取るはめになりました。
来年の授業で流すそうです…
私の不器用な製作方法が残っていってしまいました。

良かったのは生徒さん達は
本当に楽しそうにスプリント作成に取り組んでいたこと。
こうやって作るくらいは理解してくれたかなぁ。
# by custom1210 | 2012-04-30 13:06

河北省リハビリ勉強会:成功かな^^

さて午後は日本人の講義です。
と主催者からは前回の看護師さん向けにやった内容と同じで良いからと言われていましたが、実際に今回の対象者はリハビリ治療師さんでした。看護婦さん向けとリハビリ治療師向けでは求められる内容が全く違います。
事前に本当にちゃんと伝えて欲しいです…。
まぁそれも含めて中国ぽいですね(笑)

はじめにPTさんが脳卒中の理学療法について講義。
今回は前回と違って、空気が重い…。「大家好!(みなさん。こんにちわ)」 と話しかけても反応が少ない。今回はかなりのアウェーです。
なんか真剣さが全く違う。
それもそのはずです。勉強した内容がすぐに職場で求められるわけですし、
参加者は高いお金払って、土日の休みに来て、中には夜行列車で12時間と離れた場所からくる参加者も来ていました。
傍から見ていて大丈夫かな?と不安でしたが、実技になって実践的な内容になってくると少しずつ場がなごみ始めてみんな一生懸命に聞いていました。
さすがですねぇ。あっと言う間に二時間が経ちました。

河北省リハビリ勉強会:成功かな^^_f0233649_8103992.jpg



と次は自分の番です。
さぁて。作業療法の何を話そうか…??
教科書から勉強してきた知識をまとめて伝えても面白く無くて、今まで散々大学の授業でも失敗してきました( 一一)
反対に自分の経験・特に失敗した事・思いの他嬉しい・成功した経験とか感情が入っている内容は、みんな興味深く聞いてくれました。

もう社会人になって知識を詰め込むわけではないのだから、1つの講義で1つでも心に残る物があって帰ってくれるといいなぁと思います。
「今日は何を話しましょうか?上肢機能のリハビリが良いか?高次脳機能について話しましょうか?」
みんなの反応が少ない…。やっぱりアウェーだ。
「自分は中国に来た時うちの病院の患者さんのほとんどが肩に痛みがあって。じんじんと呼ばれると全員から肩の痛みどうしたらいい?と聞かれました。でも活動して1年以上してから肩の痛みは今ほとんどいません。みなさんの病院ではどうですか?病院で肩の痛みを訴える事が多い人は手を挙げてみて」
全員が手を上げる。
「自分は今日みなさんに話す機会ができて嬉しいです。この2時間での私の目標はみなさんが肩の痛みの原因をしって対処できるようになる事。脳卒中の肩の痛みは予防する事ができます。うちの病院で1年間かかった事をこの時間で勉強して、自分の病院に帰って肩の痛みを持つ患者さんが無くなるようになってほしいです。今日は肩の痛みについて話します。いいですか?」
なんてかなり大袈裟に話してみる(笑)
全員納得。目も真剣になってきたかな^^

と肩の痛みの原因・患者症例紹介・実技を交えて2時間があっという間。

河北省リハビリ勉強会:成功かな^^_f0233649_8112986.jpg


授業終了後も、PTさん含めて大勢の方が質問にきてくれました。
なかには、先週うちの病院に見学に来てくれる人もいたり、
山東省という1日かけてきた治療師さんの病院へ見学に行く約束をしたり。
とても良い機会になりました。
# by custom1210 | 2012-04-25 08:12

河北省リハビリ培训班

先週河北省連合大学でリハビリの研修会が実施され、同僚のPTさんと一緒に話してきました^^去年看護師さん向けへの脳卒中へのリハビリが好評だったようで第二弾です。今回の対象はリハビリ治療師で、近隣の病院・省を超えて大勢集まりました。
いろんな刺激を受けたのでだらだらと書いていきます…

日程は2日間の研修会で、河北連合大学の先生がパーキンソン病、臨床で働いている先生が専門の脊髄損傷や嚥下について、香港理工大学の教授が作業療法の展望と物理療法について、そして自分達も脳卒中の理学療法・作業療法の実践について、恐れ多くも話させてもらいました。日本人の私達は客寄せパンダです。まだ経験・知識が圧倒的に不足しています…

そんな立派な先生方が集まった中でも自分の印象に残ったのは香港の教授の作業療法の展望についてです。曾永康という精神科で働く作業療法士の先生。
中国ではPT・OT・STが分化されておらず、総合治療師が身体障害領域の病院でほとんどPTを行っているのですが。香港はやはり違う国のようで、PT/OT/STと分化していて病院・精神科・老人保健施設・作業所etcいろいろな分野でOTが関わっているそうです。
「私は中国語が苦手です…(香港は授業を英語で行っているそう。いやいや自分の何百倍上手か…と思いながら)」
なんて言いながら、参加者に質問したり課題を出して巻き込みながら進めていきます。
・人間モデルを様々な症例を用いて紹介したり、
・「桃姐」という映画の紹介をしたり、(香港で撮られた介護する映画だそうです。作業療法士必見の映画だそうです)
・機械(おもちゃの鼠)に育てられた鼠、は抑鬱物質を抑える神経物質が少ない。
・先生の専門の太極拳の研究:「太極拳を行う事で認知症の進行が遅れた論文」を用いたり本当に面白くとても惹きつけられました。
自分が人間モデルなど授業や勉強会で話すのは、「人の生活・全体像を見る。とか身体面は認知面・心理面と関わっているから全部見る」何て結果論しか話せなくて…それは言葉が不自由だからとかでなくて、自分自身が良く理解できていないから。

中国で働いていると、OT結構好きなんですが、つい理学療法士良いなぁ なんてたまに思ってしまうんです( 一一)今行っている作業療法は運動療法の部分に重点を置いているし、どの病院でも理学療法が求められる事が多くて。

香港の先生の講義を聴いていると、大学で勉強した原点を思い返しました。「そうだよなぁ。やっぱり作業療法広まってほしい。」
嬉しい事に自分が授業している大学三年生の生徒さんも大勢きていて。一生懸命に聞いていました。

その他胸髄損傷のリハビリでは長下肢装具・コルセットを用いて歩行訓練を実施する様子や、嚥下障害では具体的な評価と治療方法を詳しく紹介してくれました。
どの授業を聞いて本当に勉強になりました^^素晴らしい授業です。
自分達の授業についてはその次に書きます。
プレッシャー半端なかったです…
# by custom1210 | 2012-04-20 00:47

大学で授業再開:同期隊員に感謝

久しぶりの大学での授業です。
日本へ帰っていたので1カ月休みと迷惑をかけてしまいました(--〆)
さらに春節の休みなどで、学生さんとは4カ月ぶりくらいに再会。

久々に行くと、じんじんらおしー(先生の意味)、しゃおちゅあんらおしー 
と暖かく迎え入れてくれました^^

そして今回は同期の内モンゴルで働く作業療法隊員も大学授業の見学に来てくれていたので、お願いして10分間講義をしてもらいました[m:50]




彼は任地で1日に12人くらい患者さんを見ていて信頼も厚く臨床で二年間頑張るっています。

自分は一人で患者さんを担当する事は無くて、中国治療師や学生さんがどうしたら分かってもらえるか、という事を第一に考えるようになってしまいました。なので患者さんと向き合う機会が本当に少なくて…
コミュニケーションなど中国人同僚に今でもずっと助けられますし、

だから
同期隊員の一人でちゃんと外国の方と信頼を得ながら、一生懸命に治療をして、その患者さんを紹介している姿に、とても眩しく映りました。

学生さん達にもその様子が伝わっているようでした。
自分が普段言っている
「全ての患者さんがリハビリ・作業療法を受けるべきだ!」
「作業療法の考え方」
とか、同期隊員の話す中国語を「こういう事なんでしょ」と言いながら、しっかりと聞いていました。

自分もいろいろな事を教えられて、唐山までくれて本当に感謝。

授業は内容が多くて、理解できたのか不安ですが、
頸髄損傷の作業療法を無事に紹介しました~

大学で授業再開:同期隊員に感謝_f0233649_2231043.jpg

# by custom1210 | 2012-04-05 22:04


青年海外協力隊での作業療法士活動内容・中国での生活などのんびり書いていきます


by custom1210

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